2023年10月12日(木)

なにが辛いのかわからない。心が塞ぐ。身体が重くなる。思い当たることは幾つかある。愛犬の具合が夏頃から安定しないこと(想像したくもないがこの子がいなくなったらわたしの人生に価値はなくなる)、良好な関係性を築けていると思っていた患者に不信感を…

2023年10月4日(水)

湖の底に沈んでいるような日が続いていたが、この2日間くらいはそうでもない。呼吸を無意識のうちにできている。なぜ? 気分の落差の要因について、改めて問わなければならない。あしたになったらまた沈んでいるかもしれない。原因と対策。 朝、通勤途中に…

2023年10月2日(月)

世間と隔絶し、黙々と趣味に没頭したり創作に励むような暮らしに憧れる。そういえば、小学生のときの口癖は「隠居したい」だった。いやな子どもだ。じっさい、この暮らしを実現するにはどうすれば良いのだろう? 収入よりも、寂しいという感情を処理すること…

2023年10月1日(日)

米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』を観たのだけど、メアリの成長譚としても、異性間の恋愛または友情の物語としても、変身魔法の実験を世代を超えて防ぐ物語としても奥行きが足りなかった。メアリではなく、シャーロット大おばさん(=赤毛の魔女)の過去…

2023年9月26日(火)

出勤中の車内にて大きな希死念慮に襲われる。無になりたい。力が抜ける。さりとて、仕事を辞めればこの気持ちが消えてくれるわけでもない。仕事だけでなく、あらゆることが死への導火線とつながっている。逃げ道はないのだ。大学を出てから今の職場しか知ら…

2023年9月19日(火)

当直明けなので午後は有休にして帰宅。昼食をとり、うつらうつら母の話を聞いていたらうっかりうとうと眠りこけてしまい、気がついたら16時を過ぎていた。こんなことだったら休まず仕事したのに! ただまあ、信頼している上司が家庭内感染してしまい暫くはお…

2023年9月14日(木)

現時点におけるわたしの処理能力を超えた仕事量の日が続いている。そういうときは帰宅後に散文を読もうとしてもあっさりと眠ってしまう。詩を読みたいな、それに短歌も。シルヴィア・プラスをひととおり読んだら、あらためてエミリー・ディキンソンに戻って…

2023年9月12日(火)

働き始めてからの方が、それ以前よりも性別二元論によるしめつけが激しい。たとえば、仕事上で積極的に支援していた患者さんから、ある日唐突に「同性の担当者が良い」という希望をつきつけられる。同性というのは基本的に女性のことを指す(男性が同性から…

2023年9月11日(月)

連休の最終日。3日間毎朝ふだんと同様の時間に起き、総務課の者に言われたことを思い出しては腹が立ち、気がかりな仕事のことを思い出してはお腹が痛くなっていた。働き始めてからの2年間で身体ごと造りかえられたよう。 伽倻琴散調の旋律が甦える。曲がっ…

2023年9月10日(日)

シルヴィア・プラスの再読を始めた。『ベル・ジャー』から始まり短篇集に進み、いまは詩集を読んでいるが、このひとの詩は多彩な顔ぶれに訳されているので違いを楽しめる。ただまあ、叶うことなら全詩集の個人訳が刊行されてほしい気もする。 あるのはこの白…

2023年8月15日(火)

連休最終日。『違国日記』が完結したので、始まりから終わりまでを通して再読していたら日が暮れていた。1冊読むのに1時間かかる。第1巻の初読が3年前で、当時のわたしは22歳くらいだったけれど、人格形成にかなりの影響を受けていたのだなと思った。…

2023年8月14日(月)

お盆ということで、親戚の集まりに参加した。参加するたびに「もう二度と行くか」と決意を新たにするのだけど、今年は祖母が亡くなり初めての盆なので線香をあげに行きたかった。が、やはりもう二度と行きたくない。「好きな人は? 彼女は?」「結婚するの?…

2023年8月13日(日)

午前中に美容院へ行って髪を短めに切ってもらった。もうすこし体重を落としたらやや明るめのカラーに染めてみようかな、と思うのだけど、職場として良いかどうかの規則がいまいちわからない。その後は書店と図書館へ行った。日本の詩の全集を借りて読みつく…

2023年8月12日(土)

いつからこんなことになってしまったのかわからないが、わたしは併読冊数が多い。じぶんの部屋からリビングまでの距離は、トートバッグに常に8~9冊の本を入れて移動している。併読することにより、小説だけでなく詩や短歌、俳句、人文系などの複数ジャン…

2023年8月11日(金)

そういえばきのう、仕事を早退して内科を受診し血液検査の結果を教えてもらった。じぶんは年齢の割にコレステロール値が高く、生活習慣によるものなのか遺伝によるものなのかを調べるための検査だった。結論としては遺伝要因であるということだった。コレス…

2023年8月10日(木)

身体的な具合の悪さによって他院へ転院していた患者さんの迎えに行ってきた。元気そうでなにより。とはいえ、戻ってきた場所も病院であり家ではないのに嬉しそうにしている様子をどう見つめるべきか。長期入院者との対し方がまだわからない。 ヤマシタトモコ…

2023年8月9日(水)

えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい 嫌われた理由が今も分からずに泣いている満月の彫刻師 ひまわりの顔がくずれてゆく町で知らないひとにバトンをわたす 右うでに左うでが生えてしまってせっかくだから拍手している 野菜売るおばさん…

2023年8月8日(火)

昨夜に引き続いて朝まで電話番をした。朝は欠勤・遅刻することを伝えるために職員からの電話が入ることが多く、そのうちのひとつに上司からの電話もあった。どんな用事だろうと思い軽快な調子で応対したところ、兄弟が急死したので仕事を暫く休むという内容…

2023年8月7日(月)

九日前に指輪を買った。職場で身につけられるように、控えめなものにした。ところが実際に指輪をしながら仕事をしてみると、どこか落ちつかない。ふだんは意識したことのなかった指の存在が大きく感じられるからかもしれない。働き始めて二年目で、なおかつ…

2023年8月6日(日)

マッチングアプリを経由して会ったことのある男と約束をして、宮崎駿の『君たちはどう生きるか』を観てきた。限られた数の前評判から察するに、映像はうつくしいが内容としては混沌としていて、例えるなら日本の現代詩やキューブリックの『2001年宇宙の旅』…

2022年11月21日(月)その2

宮地尚子『傷を愛せるか』のちくま文庫版を読み終えた。このエッセイは 娘がまだとても幼いころ、外出先で階段から転げ落ちたことがあった。少し離れたところにいたわたしは、落ちていく姿をただ見つめていた。ただ黙って、目を凝らしていた。静かに。動くこ…

2022年11月21日(月)その1

先週の土曜日、zoomで研修を受けた。MSW(医療ソーシャルワーカー)1~3年目のひとを対象に、知識の習得と交流を目的としたものである。今回は、少人数のグループにわかれて熟練のMSWから指導を受けた。<自分自身の悩み>か<事例>を提出するという事前…

2022年11月13日(日)

わたしには思考が足りていない。すなわち書くこと。書くことは苦痛だが、書くことが考えることだとすれば、苦痛だからと言い訳して放棄することは単なる怠慢なのかもしれない。なぜ苦痛なのか……①思考を文章として出力するまでに多大な時間がかかるため ②語彙…

2022年11月6日(日)

明日からまた1週間仕事が始まるのだと思うと、手が湿り、便意を伴わない腹痛に悩まされる。わたしは今年、希望通りの職種に就けて、与えられる仕事量と新人研修の不足に不満があったものの、その他はおおむね満足していた。それが、試用期間の延長を勧告さ…

2022年11月5日(土)

昨夕、職場で事務長に呼びだされて、試用期間の延長を言い渡された。書類の内容をきちんと確認してから捺印しようと心がけていたのに、放心して事務長に指示されるまま<試用期間の延長>について書かれた紙に判を押した。恐ろしいことだが、4月に入職して…

2021年9月29日(水)

心臓の鼓動にあわせて涙はあふれ、それは生きている糸のようにこめかみを這って後頭部にまわりこみ、首にからみついてウィステリアの息の根を止めようとする。彼女は暗闇の中で嗚咽する。そして思う。あんな赤ん坊はどこにもいない。この世界のどこを探した…

2021年9月25日(土)

真夜中がにがてな子どもだった。睡魔に負けてしまうという意味ではなく、真夜中にぽつねんと起きていることが、どうしても。夜の夜たる核が膨らみ、重力と混じりあってわたしを覆うような、そういう感覚があった。眠れない日なんて最悪だ。『丑三つ時』と『…

2021年9月22日(水)

こっちには根本を考えるあまり、おまえのような状態になりたいという気持ちをもった人が少なからずいますよ。それはね、死にたいとかそういうことではなくて、生まれてこなかったことにしたいなあ、できたら、というように考える人もたくさんいるということ…

2021年9月19日(日)

わたしは黙って絵を見つめ続けた。さっき開いたとき、『村と私』のページが出た。わたしはその絵の中の、白い牛の瞳の真ん中だけをじっと見ていた。今はただ、それだけに意識を集中していろと、自分に命じていた。心臓がどきどきしている。やさしげな白い牛…

2021年9月16日(木)

私は非常に長い間、外の明るい世界にいた。 どよめくような世の営みに私はなずまない。 よそのどちらにも引き寄せられないで、 私は自分の心の中に住んでいたい。 (「雨」部分『ヘッセ詩集』高橋健二 新潮文庫 S25.12) 約3週間の実習が終了した。それまで…