えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい
嫌われた理由が今も分からずに泣いている満月の彫刻師
ひまわりの顔がくずれてゆく町で知らないひとにバトンをわたす
右うでに左うでが生えてしまってせっかくだから拍手している
野菜売るおばさんが「意味いらんかねぇ、いらんよねぇ」と畑へ帰る
はにかんでまばゆいばかりの明け方にあなたの首の骨を折りました
(笹井宏之『ひとさらい』書肆侃侃房 2011.1)
第二歌集『てんとろり』の方がより顕著にあらわれているが、「はにかんで~」のような不意打ちの暴力性にお腹が痛くなる。まあなにが「はにかんで」いるのかわからず、また「あなた」とは誰で(わたし)との関係性も不明なのだけど。怖いよね。
ふとした瞬間に「わたしにとって最も大切なものはわたし自身の感情である」ということを思った。