2021年5月14日(金)

 知人に虚無のうさぎをもらいました。かわいいです。

思い出そう

おまえが今よりももっと美しかった昔を

 

おまえは森を駆けめぐり

銀いろの月光にぬれ

緑いろの瞳を闇に燃やした

あるときは 背にきらきらと霜がおりたが

こいびとの熱い舌が それを溶かした

 

わたしがおまえに身を包むとき

おまえの血は わたしの鼓動を搏って

内側からわたしを満たし

 

わたしは思い出す

けもののはげしさを やさしさを

その かなしみを

(吉原幸子「けものよ」『続続・吉原幸子詩集』現代詩文庫 2003.5)

 いずれ自分のアイデンティティになり得ることばが偶然7文字だったので、短歌をつくった。改善の余地あり。