2021年4月17日(土)

 期限ぎりぎりに『妄想代理人』を観終わったので返却してきた。はげしい雨のなか。この作品は“少年バット”と“マロミ”を共有概念にした連作短編集という感じで、今敏の魅力が詰まっているように思う。回によって趣向が異なるので誰にでも楽しめそう。3話「ダブルリップ」と8話「明るい家族計画」が良かった。きっと自分は、切羽詰まった現実に、ほんの少しの幻想が交錯する話が好みなのだろう。つまりそれは『パーフェクトブルー』なのだけど。あまりにも現実と乖離していると醒めてしまうかもしれない。もっとこういう系統(サイコホラー?)を観たいな。未鑑賞の『lain』に期待している。

 書店でスーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている』を受け取る。彼女がつけていた日記のうち14歳(1947年)から30歳(1963年)までのもの。編者まえがきと初期の日記だけ読み、わたしが読むべき本であると確信した。影響を受けるだろうし、受けたい。それと、川上未映子『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』も購入した。外に出ると雨脚はだいぶ弱まっていて、川がきらきら瞬いていた。