2021年4月14日(水)
先週から授業が始まり、あまりの忙しさに疲弊している。4年になったら就活や国試対策などで忙しいにせよ、それらを配慮して授業の課題は減るだろうという考えが甘かった。加えて、オンライン形式の弊害もある。ストレス解消のために本を買ってしまうし、ほんとうに良くない。読みたいと以前から思っていた日記だけれど。
いま重要なのはわれわれの感覚を取り戻すことだ。われわれはもっと多くを見、もっと多くを聞き、もっと多くを感じるようにならなければならない。
忙殺される日々に備え、記憶に刻んでおく。
なにはともあれ、多和田葉子『ヒナギクのお茶の場合|海に落とした名前』を読み終えた。この作者が書いたものを読むたび、白紙然とした人物の思惑に戸惑い、行間の霧深さに迷い、気づいたら夢のなかにいるということが多々ある。狐につままれたような後味。途中で放り投げたくなることもあるが、やはり虜になっている。不可思議。9篇のうち特に好みなのは、と書こうとしたが、どれも良くて選べなかった。同性愛的(あるいは漠然とクィア)な要素を取り入れたのはこの頃なのかな。そろそろ多和田作品について語っている本も読んでみたい。