2021年4月8日(木)

 作家の墓を巡って記録しているひとのサイト 作家の墓 (kajipon.com)があると知ったので閲覧する。初めにラディゲの名前が目にとまり、『ドルジェル伯の舞踏会』をまだ読んでいないことを思い出す。彼が亡くなった年齢に達する前に読みたかったのにね。他にはカフカ(知人のエピソード最高)、カポーティコレット、デュラス、ヘッセ、トーマス・マンオスカー・ワイルド(墓にキス!)など。柄にもなく興奮してしまった。でも「作家コーナー」ということは他にもコーナーがあるのだろうかと思い、トップページ 世界のお墓(墓マイラー巡礼) (kajipon.com)へ飛んだのが運の尽き。

 作家(国内)、詩人、俳人、漫画家、絵本作家、画家、彫刻家、音楽家、俳優、哲学者、ああ、戦国武将の墓まである! 『戦国無双』『戦国BASARA』を通ってきた者としてはたまらないですね。墓を巡る動機が書かれた文章を読み、テレビ番組でも紹介されていた方であることを思い出す。まだ散策したかったけれど、頭が痛くなりそうなので日を改める。

 4月といえば自己紹介をする機会が多いので、もし「最近はまっていることは?」と訊かれたらこう答えようかな。好きなひとたちの墓を見て涙していると。

夜になると、みんなに変だと思わせないように、散歩に出かけねばならなかった。いつもは、マルヌ川までは、わけない道だった。ところがこの晩は、小石で足首をくじいたり、動悸が強く打ったりして、体を引きずるようにして歩いて行った。ボートに寝ころがっていると、生れて初めて死にたいという気持を覚えた。だが生きることも死ぬこともできない僕は、誰か慈悲深い人が殺してくれないものかしらなどと考えていた。人間が倦怠や苦悩で死ねないのが残念だった。水槽から水が抜けていくような音がして、頭の中がだんだん空虚になっていった。最後にもう一度きゅうと長く吸われると、頭の中はからっぽになった。僕は眠り込んでしまったのだった。

(ラディゲ『肉体の悪魔』新庄嘉章 新潮文庫 S29.12)

 今回は引用しないようにと思っていたのに我慢できなかった。引用依存症かしら。

 これから教科書を買いに大学へ行き、図書館で新書を借りる。